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香りと健康

香りと医学

アロマセラピー(芳香療法)とは

植物由来のエッセンシャルオイル(精油)を治療目的で使用する療法。歴史的には西暦紀元前2000年に遡り、ヨーロッパ諸国の中には、医療行為として正式な認知を受けている国々も存在します。

『香りは身体の中で崩れたバランスを整える力がある。現在叫ばれている予防医学の最先端だと思う。』
(カワバタクリニック院長 医学博士 川端一永先生)

●生理作用
香りの刺激は脳下垂体へと伝えられ、自律神経系・内分泌系・免疫系の各システムにメッセージを送ります。

●心理作用
香りは脳の中で記憶を司る海馬というところに伝わり、温い、冷たい、拡がる、縮むなどさまざまなイメージをもたらします。過去にかいだ匂いが脳にしっかり記憶されているのです。

●抗菌作用
エッセンシャルオイルの持つ抗菌力は香りを空中に漂わせるだけでブドウ球菌やサルモネラ菌などの細菌やカンジダなどの真菌の発育を阻止できる位きわめて強力です。
(例)インフルエンザウィルスに対するユーカリなど

●生体リズムの調節作用
ラベンダーの香りが睡眠薬と同じ効果があることは多くの例が示しており、ラベンダーが人間の本来持っている昼夜のリズムを回復させたことを意味しています。(スチュワーデスが時差ボケ解消のためラベンダーの力を借りることも知られている)エッセンシャルオイルには不眠やうつ病などのリズム障害のほかにも抗酸化(老化防止)作用や、免疫調整作用、薬理作用などがあるといわれています。

●嗅覚と脳と体
良い香りには理性ではコントロールしきれない感情を呼び起こす力があります。
それは香りの成分が人の情動や記憶をつかさどる脳の大脳辺縁系に直接作用するからです。
科学的研究によって欲求やけだるさ、好き嫌い、意欲や独創性はこの大脳辺縁系でつくりだされることが実証されています。
大脳辺縁系はまた視床下部と密接にリンクしています。視床下部は自律神経や内分泌、免疫系とも関係しています。

香りと人間

匂いとアルツハイマー病

アルツハイマー病の治療現場では「匂い」が活用されています。日本人なら誰でもが生活の中でしっかり馴染んできた生活臭を嗅がせて、過去の記憶を思い起こさせ脳を刺激します。「ぬかみそ」「かつおぶし」の匂いを嗅いだ痴呆のお年寄りが次第にいきいきとした表情を見せ周囲の人に話しかけるようになった、などの変化が報告されています。

匂いと教育

都市は美観を重視し清潔な街づくりを目指します。しかし、いやな臭いを排除して、いい香りばかりかいでいると脳が正常に発達せず免疫も低下するという説もあるようです。自然の野山に触れる機会が取れない場合アロマセラピーを上手に活用する方法もあります。

好きな香りと嫌いな香り

複数の人にオレンジの精油を嗅いでもらい脳波計でα波の状態を観察するという実験結果があります。結果は以下のとおりです。
(1) α波が増加 リラックスしたグループ
(2) 変化なしのグループ
(3) α波が減少しβ波が優位に ストレスがかかったグループ
その後の聞き取りで(1)のグループはオレンジの香りが好きと回答し、(2)のグループは好きでも嫌いでもない、(3)のグループは嫌いと回答しています。
この実験結果からリフレッシュなどの心への作用を期待するなら好きな香りでないと効果は得られないということが確認できます。

嫌いな香りでも体は回復する

アロマセラピーは自分の好きな精油だけを使うべきか? 答えは「いいえ」です。
それは人間の臭覚は匂いに慣れてしまうからです。上記の実験で被験者の皮膚表面の温度をサーモグラフィで測定すると、全員の皮膚の温度が上昇していました。
つまり精油には、それを使う側の好き嫌いとは関係なく、誰にでも同じように作用すると言えます。
よって嫌いな香りの精油だからといってその効用がまったく期待できないという訳ではありません。

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